PMS・PMDDと漢方薬

生理よりも、生理前がツライ…
生理が終わってから10日くらいしか体調が良くない…

生理前になるとアレコレ体調が悪くなり困っている方が多く、そんな生理前の体調不良を月経前症候群(PMS)と呼びます。
体の症状、メンタルの症状を問わず、月経前(黄体期)に何らかの症状に悩まされ、
それが生理(月経)とともに消失するものを指します。

さらに月経前不快気分障害(PMDD)と呼ばれるものもあり、PMSの重症型とも言われますが、
メンタル面の症状が主体で、現在アメリカでは、広い意味でうつ病の一種と捉えています。

 

PMS・PMDDの原因


ハッキリとした原因はわかっておりません。
女性ホルモンの変動が影響していると考えられますが、ホルモンはストレスの影響も受けるため、ホルモンだけでなく、日頃のストレスにも着目する必要があります。

 

PMS・PMDDの症状


体の症状:胸(乳房)の張り、お腹の張り、食欲不振、過食、めまい、腹痛、頭痛、腰痛、むくみ、便秘など
メンタル面の症状:情緒不安定、イライラ、抑うつ、不安、不眠、眠気、集中力の低下など

※上記の症状以外にも様々な身体的・精神的症状があります。

 

PMS・PMDDの西洋薬での治療


PMS・PMDDには、ピル(ドロスピレノン含有のLEP)やメンタル面の症状には、選択的セロトニン受容体阻害薬(SSRI)が使われております。

また、頭痛にはNSAIDs(痛み止め)、むくみには利尿薬などが対症療法として使われます。

 

PMS・PMDDの漢方薬


漢方薬では、PMS・PMDDの症状だけでなく、症状が少ない時期や月経の状態などを考慮して総合的に考えます。
タイプとしては大きく3つに分かれますが、全て少しずつ当てはまるという場合もありますので、必ず医師や薬剤師にご相談の上で服用して下さい。

気滞(きたい)タイプ

気の巡りが悪いタイプで、症状は「張(張る)・悶(悶々とする)・痛(痛い)」の特徴があります。

症状:胸(乳房)の張り、お腹の張り、ゲップ、下痢・便秘、イライラ、不眠、抑うつ…など

漢方薬:逍遥顆粒、加味逍遙散、開気丸…など

 

血虚(けっきょ)タイプ

体に栄養や潤いを与える血(けつ)が不足しているタイプで、めまいやダルさを伴い易いです。

症状:立ちくらみ、めまい、倦怠感、落ち込み、眠気、イライラ、のぼせ、下腹部痛…など

漢方薬:婦宝当帰膠、心脾顆粒…など

 

瘀血(おけつ)タイプ

血行が悪いタイプで、症状は「痛み・黒ずみ・しこり」の特徴があります。

症状:下腹部痛、頭痛、肩こり、肌のくすみ、くま、冷え、むくみ…など

漢方薬:冠元顆粒、芎帰調血飲第一加減…など

 

まとめ


PMS・PMDDは程度の差はありますが、ほとんどの女性が悩まされております。
生理痛も辛ければ、体調が良いのは1ヶ月の間でも、ほんの1週間ちょっとだけという場合も…

漢方薬では、症状や体質を考慮して服用していると、PMS・PMDDだけでなく、生理痛や普段の症状が全体的に改善されて行きます。

生理前だけに限らず、体調が優れない方は、ぜひ一度ご相談ください。

 

 

2020年8月14日 金曜日