鼻血と漢方薬!
誰もが一度は経験したことがある鼻血。実は意外に鼻血でお困りの方が増えています。
特に空気が乾燥する冬には、毎日鼻血が出てお悩みの方もいらっしゃいます。
知っているようで、意外と知らない鼻血の原因や対処法をチェックしてみましょう!
鼻血とは?
そもそも鼻血とは、なんでしょう?
鼻血は、吐血・喀血・下血などと同じく出血の一つです。鼻の穴から少し奥の「キーゼルバッハ部位」と呼ばれる細かい血管が集まったところが、乾燥や刺激で傷ついて出血するのが鼻血で、医学的には鼻出血、衄血などと呼ばれます。
鼻血の原因と対処法
誰でも経験したことがあるのにも関わらず、鼻血の原因は様々です。
子供の鼻血は主に、鼻炎や鼻をこすったり、ほじったりすることでの傷が原因となります。
対して大人は、ワーファリンやプラビックス、バイアスピリンなどの、いわゆる血液サラサラの薬(抗凝固剤・抗血小板剤)によるものや、妊娠や月経の影響、高血圧や糖尿病により動脈硬化になって出血し易い場合など、鼻そのものよりも、体全体の問題が考えられます。
対処法としては、あまりに頻度が高いと、レーザーで焼いてしまうこともありますが、基本的には圧迫による止血です。
鼻血を飲み込んんでしまわないように、座った状態で、やや前かがみで小鼻を押さえて圧迫止血をしましょう。
昔の間違った対処のように、上を向いてしまうと鼻血を飲み込んで気持ち悪くなるので、少し顎をひいた状態で押さえましょう。
また乾燥を防ぐために、マスクや加湿、ワセリンなどで対応するのも予防になるので出来る範囲で対応しましょう。
鼻血と漢方薬
中医学では鼻衄と呼ばれ、大きく4つのタイプに分かれます。
・熱邪犯肺(ねつじゃはんはい)
風邪の時などにでる鼻血です。熱が出たり、喉の腫れや痛みを伴います。
漢方薬:天津感冒片、銀翹散
・胃熱(いねつ)
暴飲暴食などの影響で、胃に炎症が起きた状態で、胃の経絡上である鼻や、上の歯茎の出血や腫れが出ます。鼻血以外には便秘や喉の渇き、口臭、鼻の乾燥などを伴います。
漢方薬:黄連解毒湯
・肝火上炎(かんかじょうえん)
ストレスなどでイライラした時に出易いタイプです。鼻血以外に、頭痛や目の充血、キーンと高い音の耳鳴り、口が苦く感じるなどの症状を伴います。
漢方薬:瀉火利湿顆粒(竜胆瀉肝湯)
・気血両虚(きけつりょうきょ)
風邪を引きやすかったり、皮膚や粘膜が弱くなっているタイプです。疲れや動悸、眠りが浅いなどの症状を伴います。
漢方薬:心脾顆粒(帰脾湯)、衛益顆粒
まとめ
原因は様々ですが、店頭では皮膚や粘膜が弱ったり、乾燥することで鼻血が出ている場合が多くみられます。
加湿やマスクなどでの対策に併せて、食事や睡眠をもう一度見直すことで改善が見られる可能性もあります。
もちろん、30分以上止まらない時や、あまりに大量の出血時は、必ず耳鼻咽喉科を受診しましょう。