薬食同源〜食事の基本〜

「You are what you eat.」
健康は食べ物で決まると言われることがありますが、中医学の世界でも「薬食同源」「医食同源」
言われるように、食べ物をとても大切に捉えてます。食べ物は薬であり、食べる事が医療そのものだと考えます。

あまり食事について細かく言うと、イヤになる方もいらっしゃいますが、
食べたい物を一生楽しんで食べる事ができるように、適度に節制していく事は人生を楽しむ為にも大切なことです。
長い人生の間、1日3食とすると、約90,000回も食事をすることになるので、おろそかには出来ませんね。
出来ているようで出来ていない食事の基本を見直しましょう。

◎当たり前のことを当たり前に!


食事の基本は、当たり前のことを当たり前にできるかにかかっています。
また、外食時に提供される氷入りの冷たい飲み物など、無意識で口にするものを見直しましょう。 

よく噛む
→噛むことで消化を助けます。食べ過ぎも防ぎます。早食いは百害あって一利なし。

腹八分
→食後に眠くならない量が腹八分目です。現代病は過食の影響が大きいです。

冷たいものを控える
→冷たいものは胃腸の働きを落とします。温かいものを飲食する習慣を。

食事を楽しむ
→あれこれ考えるよりも、楽しむことが一番です。これが一番大切です。

 

◎味付け・組合せ


本来食べ物そのものに良し悪しはありません。食べ方や組み合わせが何より大切です。

「多酢少塩」「多辣少甘」
→塩はむくみに、砂糖は脂肪に変わります。酢や香味野菜、香辛料を上手に利用し、砂糖、塩を減らしましょう。

脂っこい、甘いもの、味の濃いものは一緒に摂らない。
→NG食材を作ると食事がつまらなくなります。食べたいものを、いつでも食べれるようにバランスを重視しましょう。

野菜や果物も冷やさない
→野菜も果物もジュースはダメです。ジュースで代用はできませんのでご注意を。できれば果物は冷やさず、野菜は火を通して食べましょう。

〇〇制限をしない。
→過度な糖質制限は腸内環境の悪化に。粗食もタンパク質不足に。一つのものを過剰に摂ったり、制限をしないように。

◎水分の摂りかた


「薬も過ぎれば毒となる」と言われるように、どんなに良いものでも摂りすぎはNGです。
特に水分の摂りすぎによって体調を崩す人が多いので注意しましょう。

食事中は水分NG。
→食事中の水分は、噛まずに流し込んでしまいます。水分は食前や食後に摂りましょう。 

水分量を決めない。
→1日〇〇Lは、迷信です。乾きを抑える程度に。食事からもたくさん水分を摂取しています。

氷を入れない。
→冷たいものは胃腸の働きを落とします。温かいもので水分補給を。

◎五性 「寒・涼・平・温・熱」


食材には五性と言って、それぞれに「寒性・涼性・平性・温性・熱性」の性質があります。
体質や体調、季節に応じて上手に選びましょう。

温熱性の食材は、体を温め、冷えをとり、冬場にオススメです。
→ジンギスカン、唐辛子、にんにく、ラッキョウ…

平性の食材は、季節や体質を問わずに、長期間食べても大丈夫です。
→お米、芋、大豆、人参、しいたけ、ごま、くるみ…

寒涼性の食材は、のぼせやイライラを鎮め、夏場にオススメです。
→ナス、キュウリ、トマト、ごぼう、バナナ、ゴーヤ…

 

◎五味「酸・苦・甘・辛・鹹」


五性と同じように、味にも五味と言って、「酸味・苦味・甘味・辛味・鹹味」の5つの性質があります。
体調や食材の働きに応じて選びましょう。

酸味(さんみ:すっぱい)
肝の働きを助けます。イライラやストレス、自律神経の乱れにオススメ。
また、汗のかきすぎや、尿漏れなどの過剰排泄を抑えます。
とりすぎは、胃を痛めるので注意を。
→レモン、トマト、梅、酢、ヨーグルト

 苦味(くみ:にがい)
心の働きを助けます。興奮を鎮め、精神を落ち着けるのにオススメ。
また、赤ら顔や高血圧の方に適してます。
とりすぎは、胃腸の調子を崩します。
→ゴーヤ、緑茶、レバー、セロリ、ピーマン

甘味(かんみ:あまい)
脾の働きを助けます。砂糖ではない自然な甘味をもつ食材は、
滋養の働きがあり、疲れや消化器の弱い人にオススメです。
とりすぎは、骨を弱くするので注意を。
→芋、にんじん、ほうれん草、バナナ、米

辛味(しんみ:からい)
肺の働きを助けます。発汗作用があるため、風邪の初期や鼻水にオススメ。
気血の巡りを助ける働きもあります。
とりすぎは、体に熱がこもり気や水分を消耗します。
→ねぎ、玉ねぎ、しょうが、みょうが、大根

鹹味(かんみ:しょっぱい)
腎の働きを助けます。塩辛い食材は、泌尿器や生殖器、ホルモンの働きをよくするのにオススメ。
また、イボやしこりなどの塊を柔らかくするのにも期待できます。
とりすぎは、血の巡りが悪くなります。
→貝類(牡蠣、ハマグリ)、海藻類(昆布、わかめ)、味噌、醤油

まとめ


昨今は「〇〇は体に良い」「〇〇は体に悪い」「毎日〇〇L水を飲め」「1日〇〇食が良い」など、食事に関しての情報があとを絶ちません。

そんな極端な情報に惑わされず、一つの食材や食事法にとらわれずに、季節や体調にあった食事を楽しみましょう。

2020年7月8日 水曜日