眠くて眠くて困る…嗜眠(しみん)とは?
寝付きが悪い、眠りが浅い、途中で起きてしまうなど、不眠で困っている方が多い一方で、
逆に眠くて眠くて、目を開けていられないと、眠くて困ってしまう方も多いです。
眠くてたまらない、知らない間に寝てしまうことを、「嗜眠(しみん)」と言います。
嗜眠に応用する漢方薬
・湿邪困脾(しつじゃこんひ)
→過度な湿気(湿邪)によって、脾胃(消化器)の働きが落ちている状態。
症状:疲れて眠くなる、頭や体が重だるい、口の中がネバネバする、雨の日や湿度が高い日、食べ過ぎ・飲み過ぎで悪化する…
漢方応用:霍香正気散(かっこうしょうきさん)、胃苓湯(いれいとう)
養生:運動や入浴で適度に汗をかく、お酒や甘いもの食べ過ぎ飲みすぎに注意する。
・脾気虚弱(ひききょじゃく)
→脾(消化器の働きのこと)の元気がない状態。
症状:食後眠くなる、疲れやすい、食欲がない、無気力、便が緩い、痩せる…
漢方応用:補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、参苓白朮散(じんりょうびゃくじゅつさん)
養生:腹八分を心がける、休息や睡眠をしっかり摂り、無理をしない。
嗜眠とナルコレプシー
場所や時間に限らず、耐えがたい眠気が日中に何度も繰り返す過眠症に「ナルコレプシー」という病気があります。
ナルコレプシーは脳内物質のひとつで、覚醒状態を維持する「オレキシン」が欠乏状態にあると考えられています。
またナルコレプシーの方の中には、カタプレキシー(情動性脱力発作)と言って、泣いたり、笑ったり、怒ったりなど情動の変化に応じて、力が入らなくなる方もおります。
嗜眠とナルコレプシーでは、程度の差もありイコールではありません。
ですが、ナルコレプシーの可能性がる方でも、上記の湿邪困脾や脾気虚弱の症状があれば、漢方薬を試す価値はあると思います。
いずれにせよ大切なのは生活習慣です。
規則的な夜間の睡眠に加え、適度な昼寝の時間を確保することで、だいぶ急な眠気が減る可能性があります。
まとめ
人より眠気が強い方は、たくさんいらっしゃいます。そんな方の共通点は脾胃(胃腸)が弱い…
食後の眠気は食べ過ぎのサインと思って、量を調整する目安にして、胃腸の負担を減らしましょう。
また、梅雨時は湿度が高く、体が重だるく眠くなりやすい季節です。
運動や入浴で適度に汗をかく習慣をつけ、湿気に打ち勝ちましょう!