口内炎と漢方薬
口内炎とは?
「食べたいのに、食べれない」でお馴染みの口内炎には、誰もが一度は悩まされたことがあるのではないでしょうか?
口内炎とは、口腔内の粘膜やその周辺の炎症をさし、歯茎が腫れる歯肉炎や、舌が腫れる舌炎、口唇炎、口角炎も全て口内炎に含まれます。
原因は、物理的にぶつかって怪我をしたり、疲労やストレス、寝不足、栄養不足、またはウイルスや菌に起因するものなど様々です。
いずれにせよ、痛くて食事に困るだけでなく、常に気になってしまい、集中力も落ちてしまいますね⁈
口内炎の治療薬
ステロイド剤
口内炎には、口腔内用と言って、口の中にも塗れるステロイド薬が使われます。もちろん口の周りにも使えますので、口角炎などでも大丈夫です。ステロイドの抗炎症作用、抗アレルギー作用などにより、患部の炎症を抑えます。
ケナログ、デキサルチンや抗ヒスタミン薬なども配合されているデスパコーワ口腔用クリームがよく使われます。
また、患部に直接貼るアフタシール、アフタッチなども軟膏が苦手な方などに人気です。
ビタミン剤
口内炎の原因にビタミンB2 やビタミンB6の不足が考えられます。
そのため、フラビタン、ピドキサールと言ったビタミン剤も処方されたり、薬局でもビタミン剤を勧められる事が多いと思います。
その他
トラネキサム酸と言って、扁桃炎にも使われる炎症の進行を抑えるお薬や、胃薬のプロテカジンやプロマックなども口内炎の改善に効果が期待できる薬とされています。
また、飲み薬以外では、炎症を抑えるアズノールうがい液などのうがい薬も併用されます。
口内炎と漢方薬
中医学では、口内炎の原因によって、薬を選んでいきます。
・風熱外感(ふうねつがいかん)
風邪の度に口内炎になってしまうタイプで、熱っぽく、喉の腫れなどを伴う風邪に多く出ます。
口内炎は急に出来て、赤みも強い。
漢方薬:天津感冒片、銀翹散など
・心火(しんか)
ストレスなどで、イライラして怒りっぽい時に出来ます。
口内炎の赤みも、痛みも強く出やすいです。
漢方薬:黄連解毒湯、清心蓮子飲など
・脾胃湿熱(ひいしつねつ)
暴飲暴食や肥甘厚味(油っこい、甘い、味が濃い食べ物)、刺激物などの食事の偏りにより、脾胃(消化器系)の働きが落ちていると出来ます。
口内炎は大きく腫れることが多く、喉の渇きや口臭も伴います。
漢方薬:温胆湯、茵陳五苓散など
・陰虚火旺(いんきょかおう)
元々の体質や、慢性疾患などの影響により体の潤いが不足している状態。体を潤せないために、ほてりなどの熱っぽい症状が出やすくなります。
口内炎は熱感はあるものの、赤みが少なく、繰り返し出やすいです。
寝汗や体のほてり、腰痛や耳鳴りも伴うことがあります。
漢方薬:瀉火補腎丸、天王補心丹など
まとめ
口内炎に関しては、西洋医学、中医学のどちらの場合も原因が様々考えれれますが、一番多く見られるのは、食事とストレスの影響だと思われます。「食べたのに、食べれない!」と言うものの、食べ過ぎでなる場合も多いので、本来は「食べたくても、食べちゃダメ!」が口内炎を治すための方法かも知れません。
また、ストレスだけでも口内炎になるのに、ストレスで暴飲暴食になってしまうとダブルで口内炎の悪化に繋がってしまいます。まずは暴飲暴食以外のストレス発散を見つけ、食事を見直すのが最善策ですね。