冷えと漢方薬
最近、年齢や性別問わずに増えているのが「冷え」のお悩みです。
「冷え」は、西洋医学では、原因がハッキリせず、もともとの体質と捉え「冷え性」と言われます。
一方、中医学では「冷え」をタイプに分けて「冷え症」と捉えます。
「性」と「症」の漢字一つの違いで対応が変わります。
体質だとあきらめずに、タイプにあった対応で「冷え」対策を!
冷え性と西洋薬
検査をしても異常がなく、原因がハッキリしない「冷え性」には、西洋薬での特効薬はありません。
よく使われるのは、血流の改善が期待できるビタミンEや、熱産生を助けてくれる魚の油EPAが応用されます。
どちらも効果がありますので、ぜひお試しください。
また、どちらも漢方薬との併用が可能です。
冷え症と漢方薬
昔から「冷えは万病のもと」と言われるように、冷えが招く体調トラブルはたくさんあります。
中医学では、冷えのタイプ別に漢方薬を使い分けるので、自分の冷えのタイプをチェックしてみましょう。
気滞血瘀(きたいけつお)タイプ
☑︎ストレスなどが原因で血行が悪いタイプ
☑︎冷えは手足の先の末端のみに出やすい
☑︎お風呂に入ったり、リラックスすると楽
☑︎頭痛、肩こり、生理痛なども
☑︎男性の冷えに多い
対策:ストレス解消、運動、リラックス、入浴、アロマ…など
漢方薬:逍遥顆粒(しょうようかりゅう)、芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)…など
気血両虚(きけつりょうきょ)タイプ
☑︎疲れやすく、体力がないタイプ
☑︎お風呂に入っても、すぐにまた冷える
☑︎病後に多く、貧血の方も
☑︎極端なダイエットも原因に
☑︎胃腸が弱い人に多い
対策:たっぷり睡眠、徐々に筋肉をつける、鉄分とタンパク質をしっかり摂る…など
漢方薬:婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)、心脾顆粒(しんぴかりゅう)…など
腎陽虚(じんようきょ)タイプ
☑︎腰やお尻、太ももなどを触ると冷たい
☑︎体の芯から冷える
☑︎加齢や慢性的な過労でなり易い
☑︎腰痛やむくみなど下半身の症状も
☑︎夜間尿など尿トラブルも多い
対策:陽を浴びる、徐々に筋肉をつける、夜は早く寝る、冷たいものを摂らない…など
漢方薬:参茸補血丸(さんじょうほけつがん)、八味地黄丸(はちみじおうがん)…など
まとめ
大まかにタイプ分けしましたが、実際はお腹の冷えや、冷えのぼせ等、もう少し細かく分かれます。
いずれにせよ、どんなタイプの冷えの方でも多いのは、
☑︎筋肉・運動不足
☑︎睡眠・休息不足
☑︎冷たい物の摂り過ぎ
上記の3点です。ここを注意した上で漢方薬を上手に利用しましょう。
◎冷たい物はホドホドに
◎適度な運動
◎手首・足首は冷やさない
◎早めの休息・睡眠
上記の点を意識して、寒い冬を乗り越えましょう◎