あなたの風邪はどのタイプ?風邪と漢方薬!
季節の変わり目で風邪が流行っておりますが、風邪と言っても、症状は千差万別ですね。
風邪をひく時期や、その人の体質など原因はたくさんあり、その組みわせで、発熱、悪寒、喉の痛み、鼻水、鼻詰まり、頭痛、くしゃみ、咳、関節痛…など本当に色々な症状が出ます。
風邪こそ、一番身近で一番厄介な病気の一つかもしれませんね。しっかりと適切な対応を覚えて、長引かせないようにしましょう。
風邪とは?
実は風邪という病気はありません。
病院での診断も風邪全般を「風邪症候群」と言い、鼻水や喉の痛みが主症状の場合は「上気道炎」、下痢や嘔吐、腹痛が主症状のいわゆるお腹の風邪では「胃腸炎」と診断されています。
原因は細菌ではなく、ウイルスが粘膜に付着する事で発症します。ウイルスの種類には、ライノウイルス、コロナウイルス、RSウイルス、アデノウイルスなどがあります。
風邪の処方薬
風邪をひいて病院に行くと、以前は抗生物質を貰っていた方が多いのではないでしょうか?もしかすると、地域や病院によっては、今も必ず処方する医師や、貰わないと気が済まない患者さんもいるかもしれません。
でも風邪の原因は上記の通り、ウイルスです。細菌をやっつけるための抗生物質では効果が全くありません。肺炎や連鎖球菌の感染など、明らかな細菌感染の時は必ず抗生物質が必要ですが、それ以外で無闇に服用すると、体に必要な腸内細菌が死滅してしまったり、細菌が耐性をつけるきっかけになるので注意しましょう。
抗生物質以外にも風邪の専門薬があるわけではありません。あくまでも症状に応じた対症療法になります。
具体的には解熱鎮痛剤(カロナール、ブルフェン…)、鎮咳薬(アスベリン、メジコン…)、抗炎症剤(トランサミン…)、総合感冒薬(PL配合顆粒…)などになります。
風邪の漢方薬
漢方薬の風邪薬と言うと、すぐに「風邪には葛根湯でしょ⁈」と思っている方が非常に多いです。
もちろん葛根湯がピッタリの風邪もありますが、効かないどころか悪化する場合もあるので、必ず症状にあった風邪薬を選びましょう。
・風寒感冒(ふうかんかんぼう)
寒い時期や冷え性の方がかかり易い風邪で、熱症状よりも寒気が強いのが特徴です。
症状:ゾクゾクする悪寒が強い、軽い発熱、体の節々の痛み、鼻水、鼻詰まり、くしゃみ、痰(薄くて白い)、頭痛など
漢方薬:麻黄湯、葛根湯、桂枝湯、頂調顆粒など
・風熱感冒(ふうねつかんぼう)
春先や暑がりの方がかかり易い風邪で、喉の腫れや痛み、熱っぽさが強いのが特徴です。
症状:発熱(高熱)、軽い悪寒、口や喉の渇き、咽頭痛、咳、頭痛など
漢方薬・サプリ:天津感冒片、銀翹散、板藍茶・のど飴など
・風湿感冒(ふうしつかんぼう)または暑湿感冒(しょしつかんぼう)
湿度の高い夏場に多く、胃腸症状を伴い易いのが特徴です。いわゆるお腹の風邪もこのタイプです。
症状:下痢、食欲不振、悪心、頭が重い、体が怠い、発熱(微熱)、悪寒など
漢方薬:勝湿顆粒、香蘇散など
・衛気不足(えきぶそく)
体の防衛機能が弱っており、風邪を引きやすく長引くタイプです。
症状:風邪を引き易い、汗が出る、悪風(風に当たるのが嫌い)、咳、疲労感、息切れ、食欲不振など
漢方薬:衛益顆粒、参蘇飲、補中益気湯など
まとめ
風邪と一言で言っても、症状は人により、時期により体調により、大きく変わります。
選ぶ薬もその時々で違って当たり前ですので、「風邪には葛根湯!」と思わずに、その時の症状で判断しましょう。
また、風邪を治すのに一番大切なのは、休息です。
無理に仕事や勉強をせず、ゆっくり休んで、しっかりと睡眠を摂りましょう。どんな薬よりも一番効果がありますので、お忘れなく!